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シリアス度…:☆☆☆
ラブラブ度…:☆☆
オリキャラ度…:☆☆☆☆
え、よーやく続きの更新です。お待たせしました(誰も待ってませんよ)
内容は前々に出来ていたのですがね・・・。
未熟だから、読み返せどもいろいろ修正したくなり、ジタバタしたくなったり、このまま封印しようかなと思ったり
いずれにしても、中途半端な内容ですが、ちょっとでも楽しんでいただければと
その横顔を見ていると、時折思い出す事がある。
いや、「思い出す」というのは正しくないのかもしれない。
なにしろ、ずいぶん昔の事で、私は「その人」の顔も忘れているぐらいなのだから…
古い写真のように色褪せてセピア色になるものの姿ははっきりしている記憶ならいいのだが、残念ながら人工的に造られたものでは、記憶の風化は色の損失ではなく砂消しゴムで削り取られたような形となって現れ、気が付いたら大事な映像に黒い穴が塗り潰されて奇妙な画像となってしまう。
それでも思い出す事があるというのは、身体の大きさや声のトーンや、全体的な雰囲気やにじみ出る空気などが、何か共通するものがあるのか?
もしくは、初めてバトーに会った時に、何故かそう思った刷り込みから未だ離れずにいるから?
しかし
そんな自分の勝手な刷り込みで、こんな巨体と一緒にされたら、きっと「あの人」もムスっとした顔をして無言の抗議をするのではないか、と少し笑ってしまう。
逆に「あの人」は
私が、こんな惨めな姿に終わってしまった経過を見て、呆れるだろうか?怒るだろうか?苦笑してくれるだろうか?
せんせい
ずっと昔、今のような生活すら想像出来なかった幼い頃に、私は先生に出会った
私の才能を見出だしてくれた先生。
私の行く道を与えてくれた先生
そして
私に、戦場という舞台に身を投じさせる原因を作った先生・・・
当時
先生に初めてあった当時、私は研究材料であり、試験体であり、大人達の理解に困る子供であった。
まわりにいるたくさんの大人達は、親身に接するフリをしていたので、私も大人達の事情に調子を合わせていた。
でも、表面ばかりを良くして、奇妙な子供という遠巻きに見る視線は、ひしひしと感じ、そんな環境で本音を話すなんて出来るわけがなかった。
その中で先生は、他の大人が触れたがらなかった私の才能を見つけ、ごく自然に私に接した。
1年半ぐらいしか教わっていないのに、私の道標となった「先生」の影響は、もしかしたらかなりのウェイトを占めているのだろうか?
その先生も、無様な私の不自由な運命の中、苦しみ戦った戦士だった。
そんな姿がバトーにも重なるから、懐かしく感じるのかもしれない。
しかし私は、逃げ出した。
人を救う、最善の方法はこれしかないと勝手な自己判断で、結局それは逃げる事でしかしなかった。
あの2年前にも
消える事しか出来なかった2年前にも、先生の声を思い出していたら、私は戦えただろうか?
いつかの日、先生に聞いた言葉を思い出した
「もし、これから軍について、戦って、戦って、すべての敵を倒して・・・そしたら、こんな不自由な運命から逃れるのかな?」
先生は聡明な人で、私が何が言いたいのかがすぐにわかった
「壮大な夢を持つのはいい事だが・・・、答えはNOだな。
どんな世界最強の戦士になっても、この世の支配者になっても、遠回しに見る傷を付ける視線は消える事は無い。
結局変わりはしない、いや、ますます孤立するばかりだろうな」
「・・・そうなんだ…」
「でもな、不自由なのはお前ばかりじゃない。
結局、軍の下っ端もお偉い方も、大人も子供も誰でも、そんな不自由な運命から逃げられねえってものさ。
だから、お前ばっかりがガッカリすんな」
そうして私に、先生は不自由な中で生きていく術を教えていく事にしたのだ・・・
そんな先生の言葉が、今頃になって蘇えった。
体も声も大きく、およそ子供受けしそうになかった先生、なのにその言葉はとても暖かい。
それは、小さな動物の抱く震えた温もりのように・・・
まだ起きるまでには時間がある。
今日が動き出したら、私はうざったい雑用に追われ、また先生の事も忘れていってしまうのだろう
「今日あのソファ買いに行くわ。」
先ほど目を覚まし、猛獣のような大欠伸をひとつしたバトーに私はそう言った
「あのソファって・・・?」
バトーは、昨日話していた更衣室にあったソファの事だとわかったが
「昨日はいらないって言ってじゃねーか?なんだ、フルに働く気になったのか?」
「仕事場には、もう持っていかない。この部屋に置くの」
私は、シングルソファに座ると、右側の方を指差し、新しい入居者の居場所を指定する。
「はっ!?俺はいらねーよ。欲しいんなら自分の家に置いとけよ」
「あいにく、今まで住んでいた所引き払っちゃったから、今置く場所が無いの。たから、次の部屋が見つかるまでここで預かっておいて」
だったら部屋見つかった時に買えばいいじゃ…と、バトーはぶつくさ文句を言いながら顔を洗いに部屋から出て行った。
私は、今までの2人の間に流れる調子が少しずつ元に戻ってきているのと、ちょっとした目論みが実行出来るのに、少しニヤリとした。
自分のソファがこの部屋の住人になるか否か、そんなカケをこっそりする。
ここがこだわりが行き届いている部屋とはいえ、彼も気に入っていたソファだ、結末は既に見えていておよそカケにもならないであろうが
そんな子供っぽい可愛いカケをしていると、また先生を思い出す。
興味があったから着いて行く
気になったから追いかける
そして、自分の失敗に気まずくなったから逃げる
もしかしたらそんな私の姿に、先生は怒るのではなく、ただ苦笑するのだろう
”ようやくガキらしくなったじゃないか”
きっとかすかな皮肉を込めて笑うのだろう。
姿も形もほとんど思い出せないのに、私はその様子を目に浮かべる事が出来た・・・
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言い訳です。
オリジナルキャラ「先生」を出したく、こんな小説をタラタラ書いていたわけです。
つまりは過去話を書きたい・・・、純粋なファンにはスミマセンな内容でした。
しかも、バトさんとの絡みもまるで無いですね、こりゃ
うむ、待っていたぞ。給与分は仕事してもらわんとなww(って、給与払ってへんし=3)
>どんな世界最強の戦士になっても、この世の支配者になっても、遠回しに見る傷を付ける視線は消える事は無い。
素子の子供時代の先生。素子の心の支えになった人。
あの草迷宮のどこかへ行ってしまった少女がここにいた。
まだ完全義体化の少ない頃のリハビリの苦難、二年後にであった少年との事、その後リサイズを繰り返しながら軍に身を投じてきた数々の修羅場。。。。。。。
いろんな困難な場面を潜り抜けてきたことが、あの強い少佐を形作ってきたのだと理解していたつもりだが、
このSSのような精神的な内面の葛藤までは思いが至らなかったので、あくる殿の「先生」には目から鱗が落ちるような驚きがあった。
そう、きっとこんな「先生」がいたからこそ幾多の困難にも立ち向かい乗り越えてこられたのだろう。
>”ようやくガキらしくなったじゃないか”
優しさに溢れた言葉だな。
言葉や行動はいつもの強い少佐だが、その心の内側の繊細な部分が丁寧に描かれていて、そのギャップにニヤニヤしている。
こういう隙間を埋めるSSがあると本編にもますますいろんな意味合いが読み取れるようになり、より一層攻殻が好きになるよ。
あくる殿、とてもいいSSをありがとう。
さっそくの感想ありがとうございます。
久しぶりのSSアップなので、ヘタヘタでこっぱずかしさが最優先してしまい、課長さんの感想を読むのもドキドキでした。
>給与分は仕事してもらわんとなww(って、給与払ってへんし=3
ホントっ、お給料くれるって!?(言ってませんゾ)
いやいや感想いただけるだけで嬉しい限りです。
プラス、お留守番したので(?)お土産でも//
>素子の子供時代の先生。素子の心の支えになった人。
草迷宮の女の子と少佐と、この違いは何かなーといろいろ考えてて、やっぱり彼女にも変化のきっかけになる人物が1人でもいたのでは無いのかな~と、ぼんやり思ったわけですね。
あくまでも自分のオリジナル設定なので、賛否両論かもですが、・・・いや今までも充分オリジナル話でしたから(開き直り)
>あくる殿、とてもいいSSをありがとう。
こちらこそ感謝感激でありますっ。
続きはまた・・・のんびり待っていただけたら。
「遅い!」といつか怒鳴られそう、いや怒鳴られてみたいっ(末期)