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お笑い度……:☆☆☆☆☆
シリアス度…:☆
ラブラブ度…:☆☆
えちち度……:?
「P!-time」本編・・・、序章を読むと少しはわかるかも?
読む人の妄想力も問われる・・・そんな内容にしてみました。
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「……」
「なぁにをしているのかしら、タチコマ!?」
「…っ!?うぎゃー!?しょ、少佐~っ!?まだいらしたんですね?て、てっきりもう帰られたものかと…」
ここは、タチコマ達が1日の最後に訪れる9課のハンガー、いわばタチコマ達の寝床だ。
そこで、まさしく今、1機のタチコマがピンチを迎えていた…
「私の事はどうでもいい。それより、なんだコレは!?」
少佐は、タチコマが手にしていた小さな手帳を取り上げる。
「あっ!そ、それはっ!?」
「ふーん、私とバトーの話なのかしら、これは?」
手帳をパラパラめくり読み続ける少佐。
その目には、なんとも表現しがたい冷たいものが宿り、タチコマの背筋(?)は凍る。
「じ、実は、人間のアナログな言語についてデジタルには無い可能性を取得したく、まずその基本となる紙媒体上の文字を追っていまして~…」
「それで、こんな話を声色まで変えて声を出して読んでいたのかっ、お前は!?」
「ひぃ~、ごめんなさい!!」
手をモジモジさせたり、頭を手で庇ったりしながら少佐に怒られるタチコマ。
その様子は、悪い事をしでかし母親にこっぴどく叱られている子供のよう…
「しかも、こんな小さい手帳にまで書き込んで…」
「い、いえ。その手帳はバトーさんの……あっ」
うっかり喋ってしまったタチコマを、少佐は睨む。
「なーに、タチコマ?これはバトーの私物だって言いたい訳?」
「あっ…いや~…その~、バトーさんのものと断定された訳でなくてですね…。その…椅子にかかっていたバトーさんがいつも着ている上着の~内ポケットにですね~、入っていた…ような~気がしたりしなかったり~…」
「そう。なら、直接奴に聞けばわかるって事だな?」
「あ、いや…」
「アイツが転職して小説家にでもなる気なのか、問いたださないとな」
そう言うと、少佐はスタスタ去って行く。
彼女を引き止める為に延ばしたタチコマの腕は虚しくも、少佐を静止させる効果を発揮せず…
そんなタチコマに、他のタチコマ達が割り込んでくる。
ここは、仮想空間。タチコマ達の溜まり場のようなところ。
そこに、タチコマ達がワラワラやってきては、口々に言う。
「馬鹿だな~君は。いくら経験値を積む為とはいえ、音読なんてしてたら少佐が怒るに決まってるだろー?」
「で、でも~。もう今日の任務は完了してるし、これは特にサボったという訳では…」
「違うよ~。少佐が怒っているのは、君がサボったからじゃなくて、読んでいた小説の内容だよ~、きっと」
「うん。あの内容は人間同士の、いわば秘め事が赤裸々に書かれているようだからね~」
「それって俗にいう、官能小説と言うものなんでしょ?」
「たぶん。僕達にはこういった感性はわからないけど、人間にとっては声を出して言っちゃ恥ずかしい内容ってとこなんじゃないかなー?」
「しかも少佐やバトーさんの事が書かれてたら、少佐にとってはますます恥ずかしいと思うよ」
「えっ?じ、じゃあ、もしかして少佐は怒っているんじゃなくて、恥ずかしいから怒っているように見えた、ってこと~?なんだぁ~、良かった」
事の発端を引き起こしたタチコマは、ほっと胸(?)を撫で下ろす。
なんせ少佐の、顔は笑っているけど目は笑っていない表情は、AIから見たって恐ろしい事この上ない。
しかし
「いや、違うな」
と反論した別のタチコマの言葉に、またしても不安が過ぎる。
「まず君が朗読した小説を分析したんけど」
そう言うと、1機のタチコマはこの仮想空間に、読んでいた小説の1部を広げる。
「ほら、ここの部分。これじゃあ、いつも僕達が目の当たりにしているバトーさんと少佐の立場が、まるで逆転しちゃってるよ?」
「あっ、こっちの方はバトーさんひどい人だよ~。…ちょっと少佐が可哀相」
「じゃあ、現実と小説の内容の不一致が原因で、やっぱり少佐は怒っているって事~?」
「それもあるし、その嘘で塗られた恥ずかしい内容を大声で読んでしまった事で、少佐は恥ずかしさと怒りのWの感情が生まれたんじゃないかと、僕は思うけどね」
その解答に、他のタチコマ達も頷く。
「それにしても、こんな事を書いていたなんて、バトーさん…、日頃、少佐に虐げられてきたストレスを、ここに晴らしていたという事なの!?」
「いや待て。まだそう判断するのは早いぞ。これがバトーさんの所有物だって、まだ決まったわけじゃないだ」
「でも~、バトーさんが僕達に会いにきて、上着をあそこに置いてから、あれには誰も触れていないんだよ?監視映像にも怪しい人はいなかったし…」
「う~ん、バトーさんの物である証拠は無いけど、バトーさんの物では無い証拠も無いという事か…」
「まあとにかく、僕達AIが人間の感情やその他諸々について討論しても解決しないと思う。それより僕は、声を出して官能小説を読んでた事が一番問題だと思うな~」
「そ、それは、どーゆー事?」
「いくら経験値を上げる為とはいえ、こんなHな内容を声出して読むなんて、周りから見たら怪しい行為に見えるからだよ」
「まるで変態思考戦車だね」
「へっ、変態思考戦車!?」
「うわ…、そんな風に呼ばれるなんて、僕は嫌だな~」
「僕だって嫌だいっ!!変態だなんて、侮辱だ~っ!名誉棄損だ~っ!!」
変態扱いされたタチコマは両腕をブンブン振り回し抗議する。
端から見たら、変態戦車と言うより、暴走戦車である。
「僕はまだバトーさんに可愛がられたいから、変態にはなりたくないや」
「ひ~ど~い~っ!!」
「みんな~っ!、こいつと繋がったら変態になるぞ~!!」
そんな仲間からの意地悪に、変態扱いされたタチコマは、とうとうキレたようで…
「…ふふふふふ~。キミ達ぃ~、そーやって僕を変態扱いしているけど、僕が朗読したあの内容を記録している時点で、既にキミ達も立派な変態仲間なんだ~」
「え~っ!!」
「そんなの嫌だ~!!」
「今更遅いぞ。あとは、僕が朗読した経験をみんなと並列化しちゃえば…ふふふ~」
「うわ~、止めろ~っ」
「落ち着け~、話せばわかる~!!」
「危険だっ!!誰かコイツを止めろ~!!」
「みんなっ、早く自閉モードにするんだっ!!」
「ふはははは~!!!」
暴れる暴走タチコマに、右往左往するタチコマ達…。
その片隅で静かに本を読んでいたタチコマが、そっと言う
「ねえ~、そんな怪しくって恥ずかしい経験だったら、きっと少佐がちゃんと消してくれると思うけど」
そこで、タチコマ一同の動きはハタリと止まる。
「そ、そうだね。少佐が怒るような内容だから、例えこのまま並列させちゃあマズイだろうね~?」
と、一様に納得の様子。
「ところで、僕はバトーさんの事が心配だな~。きっと少佐に散々に怒られていると思うよ」
「うっ…、バトーさん。大丈夫かな~?すごく心配」
「きっと落ち込んでると思うから、明日僕達で慰めてあげなきゃだね」
そう言うとタチコマ一同は、みな一つの思いになり、一度解散をした。
しかし、次の日もその次の日も、バトーが来る気配がなく…
その理由を少佐に聞く事も出来ないタチコマ達の間には、僕達を置いて小説家になってしまった~!?、とか、叱られ過ぎて未だに家で落ち込んでいるんじゃ…、とか、もしかしてラボ送り(!?)にされたのかっ!?…と、噂は尽きなかったという。
私の小さい脳で考えてみたんですけど。。。
アオイくんが書いた官能プレゼントってことなのか、な?
だとすれば少佐が怒ってる理由とバトーが来ない理由はなんとなくわかるのですが。
ま、私の憶測(妄想?w)はおいといて。
凄く良かったですよ!
タチコマと少佐のキャラクター性が自然で、アニメ版の設定と比べてちっとも矛盾がなく心地よく読めました。
タチコマの動きも細かくかかれていて、シーンが浮かんできます。
少佐の表情の表現に関して、たしか小説版の攻殻にもありましたが、これも状況が浮かぶようでピッタリです。
これはもう…尊敬しちゃいますよ!
ぜひ弟子にしてください(笑)
アオイ君からのプレゼントは、その「怪しい手帳」(アオイ君作のバト素本)
バトさんに、それを読んで元気出して頂戴という、アオイ君なりの心配り?ってとこで。
いずれにしても、おバカな設定です。
・・・って説明を付けなきゃいけないとは、まだまだ実力不足っす・・・。
なので、弟子なんてとんでもない~。
おバカな物書きになってしまいますよ(笑)
でも、お褒め戴き嬉しいです。もっと精進しますです。
「並列化しちゃうぞ〜」
って、伝染病より危険ですね。
ああ、その性質だけは並列化したくないっ!!
しかし、アオイくんもエロ系バト素本を書いてよこすとは、命知らずな<がくぶるっ!
「リアルで経験値あげてみる?青少年」
ああ、素子女王様のお言葉が目に浮かびます
タチコマだって、一歩間違えれば変態になる可能性を秘めているのよっという警告・・・とまでは考えてませんが。
>アオイくんもエロ系バト素本を書いてよこすとは、命知らずな<がくぶるっ!
そこまで考えてなかった・・・ごめんよ、アオイ君♪
最初は序章無しで、謎の手帳のまま終わらせようと思っていたのですが、本当に謎でワケわからないSSになりそうだったので・・・アオイ君に罪を擦り付ける事に☆
ぜひ、素子女王様のお仕置きを受けてくだされ・・・って、黙って受けるような彼なのかな・・・?